宗歩の角行
谷津矢車の著作です。
江戸時代?の将棋指しについて、関係者から聞き取りして
多面的に、各方面から人となりを描いていきます。
お酒がないと将棋から逃れられないというくだりは
才能に恵まれるということが多くの負の側面も持ち合わせるのだと
羨ましいというだけではない同情の気持ちになりました。
また、下手な人との将棋も楽しんでいる姿や
勝負を長引かせてギリギリまで勝負をつけさせないというのも
勝負士というよりは、将棋で子供のように遊んでいるようです。
同等の好敵手を失ったさみしさはなかなか埋まらないのでしょうね。
人見知りでも将棋を奥さんと指すときは楽しそうだったというのは
ちょっと胸が詰まる思いでした。